ここ2ヶ月は、いくつかの美術館や博物館に足を運ぶことが多かった。英語では、厳密な区別が無く美術館も博物館もはたまた記念館もミュージアムというようだ。
7月に行ったのは、金沢。金曜日に家族で出かけたのだが、今話題の金沢21世紀美術館(http://www.kanazawa21.jp/)は外国人観光客も含めかなりの賑わいだった。香林坊と兼六園の間、金沢市役所と駐車場を共有する建物は随所にアイディアが盛り込まれていた。人口50万人足らずの地方都市に有りながらしっかりとしたコンセプトに基づいて作られているので評価も高い。コレクション展の他に、「人間は自由なんだから」というデンマークのゲルト近代美術館の展覧会も行われ、同時に2つのテイストが楽しめたのも良かった。
偶然、訪問客に説明していたハイテンションのおじさんが、小夏と私を地下のプールに案内してくれた。後でわかったのだが、その方は有名な蓑豊(みのゆたか)館長だった(http://www.mita.keio.ac.jp/alumni/06_2.html)。
少し離れた石川県立美術館(http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/) は、キリストをテーマにした作品が多い「ルオー展」を鑑賞した。この美術館は入り口の中と長椅子の置いてあるロビーに灰皿が置かれ、タバコの煙が館内に充満しているというお粗末なものだった。帰りに館長宛に法律を遵守して快適な美術館にするようにと名刺の裏に書いて受付に出してきたが返事はあまり期待できない。というのは、スワングループからいくつかの知事宛にタバコ対策の質問を返信用EXPAC500を同封して送ったが石川県だけ返事が無かった。
金沢で見た2つの美術館は新旧のコントラストを浮き彫りにしていた。誰もが気軽に訪れ体験して楽しめる開かれた美術館とタバコ臭く薄暗く、静寂を要求され子供の姿がほとんど無い美術館。
6月には、横濱商館ほどないアートラボふくい(福井市立美術館 http://www.art.museum.city.fukui.fukui.jp/)で「岡本太郎展」を鑑賞した。大阪万博当時小学生だったが、太陽の塔を見て驚かなかった人はいなかったと思う。
福井市は、足羽山の福井市立自然史博物館と街中に移転した福井市立郷土歴史博物館を運営している。そのほかに、福井県立美術館と福井県立歴史博物館が文京地区に点在しており、博物館で行われた「ブックアート展」の講演会にも参加した。専門家の話は非常にエキサイティングで勉強になる。
文化が地域の経済を後押しするという考え方があるが、小さな市町村(人口10万人以下)だと経済を後押しするようなユニークなものはなかなか作ることはできない。多くの学芸員やスタッフを雇い、税金で維持されているミュージアム(図書館含む)の存在価値はどの辺に有るのだろうかと考えてもうまくまとまらない。
ほとんどお金がかからず、世界中からアクセスできる「小夏のお絵かき美術館」(http://coco.mike.co.jp/kona2/)というのを4月から運営している。一度覗いて欲しい。
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