2011年月2月6日に緊急で「福井の共生社会を考える 第1回」と銘打った多文化交流のイベントが福井県国際交流会館で開かれた。
2010年末に発覚した不当な福井市営住宅への外国人規定の存在を見過ごすことができないと、インターナショナルクラブ(代表:山下善久氏)が企画した。
国際化とか多文化共生が叫ばれる昨今、こんな時代遅れな規定が存在している県庁所在地もあるのが日本の現実だ。
メイン講師として、滋賀県で同様な問題を10年ほど前から取り組んでこられた河かおる氏が招かれ、説得力のある解説がなされた。
その中で印象に残ったのは「合理的な配慮」というものだった。何も対策をしないことは悪いことだと語った。資料をマルチ言語に対応させるとか、窓口に通訳を配置するとかの配慮できることはいくらでもある。また、現在問題になっている日系ブラジル人や中国人などは、「ニューカマー」と呼ばれ、戦時中に強制連行された朝鮮半島系の住民は「オールドカマー」と称されていた。日本の外国人問題は、障がい者問題ともリンクしながら複雑な要素をはらんでいる。
外国人や障がい者に、「合理的な配慮」をすることは、一見、コストが掛かり、社会を疲弊させるようにも見えるが、実際は、差別を無くしていくことにより得られる社会のメリットの方が遙かに大きいと私は考えている。福井で定住外国人参政権訴訟があったが、傍聴した際に弁護士が
「多様な文化を持った社会こそが強固な社会になる」
という言葉に感銘を受けて運動の支援に参加するようになった。
主催した山下氏は、「福井の明るい未来の方向性を見つめ模索するもので、個人や団体、行政を攻撃・口撃するものではありません
」と案内に明記し、行政関係者の参加もあった。また、事前に、右翼団体の抗議行動などに対応すべく関係機関と連絡を取るなどその行動力には頭が下がった。
折しも、申し入れの効果があり、2月17日付けの読売新聞には「市営住宅の申し込みの入居案内の資料を、英語や中国語、ポルトガル語など、複数の言語に翻訳する方針。入居要件に満たずに住居探しに困っている外国人には別の福祉施設をあっせんしていく。入居に関する内規について、東村新一市長は15日の記者会見で、「市営住宅を適正に管理するためには必要」と存続させる方針を示しており、「外国籍の方は日本社会でコミュニケーションを取る努力をしてほしいし、我々には努力する人への支援が必要」として多文化共生に向けた相互理解を図る考えを示した。」と書かれている。
アクション無きところにリアクション無し。何事も前向きに行動していきたい。
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