大学を卒業して3年間ほどサラリーマンをした後、1年間のモーターサイクルひとり旅(1987-88)に出て以来、映像系(Photo,Movie,Web)のフリーランスとして20年ほど暮らしてきた。仕事に関していろいろ思うことをまとめてみた。仕事というと、福井大学近くの文具店「角文」さんのコピーが気に入っている。「オフィスはもちろん、学校でも、家庭でも、ボランティアでも、目的のある活動・・・それは、すべてしごとです。」
若いときは行動を「仕事」(営利目的)「勉強」(将来に対する投資)「遊び」(生活以外の消費活動のひとつ。行動そのものが目的。)に分類していた。ここ数年の行動を分析してみると、NPO活動(非営利の社会活動)、教育(家事・育児を含む)が大きくなってきたことを感じる。「勉強」は、お金を使うのは変わっていないが、意識の中では「仕事」の中に取り込まれてしまった。「遊び」はほとんど無くなってしまった。「歌を歌う」という行動は、プロ歌手の場合は「仕事」だし、福祉施設などで歌う場合は「NPO活動」、子どもに教えるために歌うなら「教育」、趣味のカラオケは「遊び」に分類される。(やや違った視点から、習い事やトレーニングなど「自己研鑽」というのも有るかも)
映像系制作者というのは、趣味とプロフェッショナルが存在している珍しい職業だ。ほとんどの職業は、「仕事」としてしか存在していないので、ときどき、「趣味と実益を兼ねていて羨ましい」などと勘違いされることがあり正直言って迷惑だ。この辺はなかなかわかって貰えないのが現実だ。
プロの制作には予算(制作費+ギャランティ)、納期(打ち合わせから完成までの時間)、品質(作品のクオリティ)の3要素が絡み合っていて、全てを満たすことは不可能だ。良い仕事は、予算が潤沢で制作期間も充分に用意されていて、打ち合わせで仕様もしっかり決まっている。逆におぞい(福井弁で悪いとか粗末という意味)仕事は、予算が無く、納期も短く、さらに仕様がハッキリせず、やり直しが多い。プロフェッショナルとしては、最終ゴールを見定め、最良の提案とするように心がけている。
やるべきしごととしては、「出来ること」「やりたいこと」「求められていること」の3つが重なった部分だけ。いろいろな意味で、本業をボランティアにすることは慎まなければならない。特に求められてもいないことをするとお互いにマイナスになるだけだ。
最後に働き方の種類を3つに分類してみた。雇われない生き方として「起業」と「フリーランス」があるが、起業は会社形式で複数の人間で動くものでフリーランスは基本的にひとりと考えている。大学では、「就職」の指導しかしていないのが残念だが、これからの日本は変わっていくことだろう。
|