10月に入り、続けざまに著名人の講演を聞く機会に恵まれた。奇しくも幼少期に見聞きしたものの紹介から話を始められた。
5日に福井市のE&Cギャラリーでの美術作家・橿尾正次氏(1933年生まれ)のギャラリートーク。今では滅多に見かけなくなったスライド投影機に35mmスライドフィルムを掛けて写真解説。幼少期に見た動植物の造形や古い祭りの風景が作品作りに影響を与えたことを話して下さった。金属と和紙を使った立体造形で有名な橿尾氏であるが、小さな紙にモノクロで描かれた原画がどのように立体で克つ色彩豊かな作品に仕上がっていくかをわかりやすく示して下さった。
10日は鯖江市文化の館で開催中の世界に発信できる「創作-ニッポンのお土産」展 の記念セミナー「笑いと産業」デザイナー・梅原真氏(1950年生まれ)。高知県を拠点に活躍する方で、地元福井のデザイナーや美術系の大学教授、社長さんなどが詰めかけもの凄い熱気だった。デザインとは、モンダイ解決ソフトという視点から、地方のマイナスをプラスにする考え方でニッポンの風景を作り直そうとしておられた。
講演後の質問コーナーではいつものように最初に手を挙げ、坂本光司教授の書かれた「日本でいちばん幸せな県民」について質問してみた。この本の中で福井県がトップになったことに加え、全国の100万人未満の小さな県が上位に来ているが、高知県のみ最下位グループに属していることについてどう思うかとの質問だった。
その本は読んでいないし、学者の言うことなど信用しないと前置きした上で、かなり興奮気味に、福井県には原発があるが高知県にはない、ブータンが幸せなのかなどどんどん話は脱線していった。この本はいろいろな40項目(「生活・家族部門」「労働・企業部門」「安全・安心部門」「医療・健康部門」の4部門)を幸せという観点から数値化したもので豊かさの指標でも、本人アンケートでもないことを忘れてはいけない。講演のタイトルが「笑いと産業」だっただけに驚かされた。
もちろん、購入した2冊の著書にはサインを頂きました。
すでに遅いかも知れないが、子ども達には、生まれ育った福井の自然や環境を感動を持って受け止められる機会を増やして上げたいと感じた。
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