2月25日(火)に福井市文化会館で、映画「サクラサク」の舞台挨拶付きの特別上映会(1300円)を見て来た。
全国公開は4月5日からだが、福井県を舞台にした映画で、24日には美浜町でも舞台挨拶付きの上映会が開かれたようだ。
さだまさしさんの原作&主題歌のこの映画は、ピンクの桜と役者の笑顔がパンフレットになっているが、崩壊している家族と痴呆が進行している祖父を描いた淡々としたものだった。ちょうど、年代設定が私とほぼ同じでどうしても、自分自身の生活と比較してしまった。入社試験の面接シーンでは似たような体験もあった。
舞台挨拶には、
藤竜也、緒形直人(画像の中の「緒方直人」はミスタイプです)、南果歩、田中光敏監督がステージにあがったが、開場の5時半には長蛇の列ができており、1100名の観客で席が埋まり、かなり後ろの席からしか見ることができなかった。私的には、脇役の大杉漣さんを見たかった。福井出身の俳優・津田寛治さんの板前さんもGood。
田中監督は、CM制作、ワークショップ講師など頻繁に福井県に訪れており、2013年2月には福井市美術館で講演され、映画「利休をたずねよ」の裏話をたっぷり聞くことができた。ロケ地の選択や描き方もとてもスマートで、お約束の方言も良い塩梅で取り込みつつも、全国展開を見据えたしっかりした絵作りは流石。2011~12年は福井県のご当地映画が5本も劇場公開されたが、それらの中でも群を抜いている。
石井聰互監督「逆噴射家族」(1984年 原作:小林よしのり)、鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」(1980年)、劇作家・別役実の書いた不条理劇「眠っちゃ行けない子守唄」などと共通点があり、YouTubeで作品が残っていないか探してしまった。
映画としての完成度が高く、是非ともみなさんに見てもらいたい1本だ。
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