2013年、2014年と続けて「お水送り」を楽しむことができた。
テレビニュースで、白装束の一団がホラ貝を吹きながら行う神事には興味を引かれていたが、行ってみると想像以上に感動的なお祭りだった。
奈良東大寺の二月堂で行われる「お水取り」は、全国ニュースにも取り上げられているが、その元となっている福井県小浜の祭りは、熱心な神事マニアや関西方面からのツアーバス客で賑わっているものの、神宮寺境内を自由に移動しながら楽しめるスローテンポなものだ。
夜の8時過ぎがクライマックスだが、神宮寺の上流の鵜の瀬のさらに上流の八幡神社の山八神事は午前中から厳かに執り行われている。小浜市長らも参列するが、結界の外に座布団が用意されている。
昼下がりには、神宮寺境内で弓矢の神事も行われるがとにかく、ゆっくりした時間の流れを楽しむしかない。することと言えば、1500円の松明を購入し願い事を書き込むくらいだ。
辺りが薄暗くなる頃、白装束の一団が本堂に入っていく。そこから1時間はお経が流れてくるだけで中の様子はわからない。真っ暗になった7時ごろにひとりだけ赤い衣装を着た人が大きな松明を持って現れ、歓声が上がる。境内で護摩焚きをして大松明、中松明、一般参加の手松明が鵜の瀬に向かうのはさらに1時間ほどあと。
遠敷川沿いを1000人以上の人が松明の灯りだけで歩いている光景はなんとも言えない。約2kmを30分ほど掛けて歩くと鵜の瀬神社の一体は大混雑となっている。一度は、リアルに体験することをお勧めするお祭りだ。
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