創業文政6年の河原(こうばら)酢造さんを見学させていただく機会を得た。
夏休みということもあり、小学校5年生の息子とその友達もデジタルカメラと筆記用具を持って参加した。
国内米のみから静置醗酵の有機米酢のみを造っている小さな会社ながら、「老梅ブランド」として全国に愛用者がいる工場だ。老梅とは、「老」長期熟成、「梅」伝統の調味料を意味する。
見学コースは、工場ではなく、原料となる「米」を作っている田圃から始まった。丁寧に、有機農法やイモチ病のことを説明。
大野市郊外の工場に移動し、精米工程から蒸す工程、麹室などを案内していただいた。この部分は、日本酒を作る工程と同じで、冬期間しか稼動させていないためiPadでの動画視聴を組み合わせての説明。 好気性の酢酸菌を使って、アルコールから酢に変化させる工程(3ヶ月ほどかかるという)は、初めて見たためとても新鮮だった。5トンほどの樽の蓋をずらすと、茶色い薄い「酢酸菌層」を見ることができる。蔵に住み着いている酢酸菌を隣の樽に移しながら醸造を続けていくという。 濾過して透明度を増したものを瓶詰めするのだが、熱処理を加えているため、瓶は70度くらいになっていて手を近づけただけで熱気が伝わる。これは、映像では全くわからない工場見学ならではの体験というか醍醐味だ。 最終工程の充填量の目視やラベル貼りなど手作業で行われ、普段、キッチンで使っている「酢」に親近感が湧いた。 江戸時代から続いている老舗だが、一部、輸出も行っていて、英語では「Kobara Vinegar Brewey」というのが妙に格好良い。
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