ギャラリー喫茶サライで開かれた美術家・北川健次氏のオープニングギャラリートークをビデオ収録させて頂いた。
北川氏の銅版画作品は、勝山市にある中上邸で目にしていたが作家本人にお会いしたのは初めて。第一印象は、とにかく、若々しいということ。福井市出身横浜市在住で個展は4年ぶりだという。
6時半から始まったギャラリートークは「僕の創造の秘密」と銘打っていたが、舞台美術をやりたいと思い三島由紀夫氏に手紙を書いた話から、画学生だった45年ほど前に福井県で起こった連続放火事件(通称38事件)、私立探偵になりたかったこと、ゴッホの他殺説に話を広げていった。
油絵から出発し、銅版画で棟方志功氏や池田満寿夫氏らに評価されたが、常に好奇心を忘れず、どんどん作風を変え、コラージュや2.5次元ともいえるオブジェ作品などを展示(タイトル:ヴィラ・ヴィスタの鳥籠の中で!)。美術の中での自分を確立するのではなく、北川健次というジャンルを作りたいという野望や気概に燃えていた。
コーヒーブレイクを挟んで100分ほどのトークの中でビビットに感じたのは「複眼的視点」「リアルと虚構」「ノスタルジアを揺さぶる装置」。
作者と作品、鑑賞者の対話などについても独自の視点でトークを展開。最後に「芸術とは?」という質問に「人間と動物との境界線」と話を締めた。
すぐに、アマゾンで近著「美の侵犯?蕪村×西洋美術」と「絵画の迷宮」を注文した。
<作家インタビュー2015.7.31収録>
|