2016年1月9日(土)から東京都出身の日本画家「岡村桂三郎展」(主催:福井大学)が、みくに文化未来館(1月24日まで)と福井市のE&Cギャラリー(1月31日まで)で始まった。
木曜日(みくに)、金曜日(E&C)と展示準備をする現場を見せて頂き、ビデオカメラを回す機会を得た。10人掛かりで5時間も掛かり、畳大のパネルを何枚も電動工具で組み上げ展示する様子は、従来の美人画や花鳥風月を綺麗な色彩で描く日本画の概念を変えるものだった。
9日のオープニングでは、アーティストトーク(司会:坂本太郎(彫刻)、ゲスト:濱田樹里(日本画))がE&Cギャラリーで開かれ、最初に作品に触れて頂くというワークショップ的な始まり方だった。膠(にかわ)に、岩絵具を溶かしたものを使う日本画の手法だが、架空の動物=タコや鳥に似た感じのもの=を圧倒的な迫力を持った作品として成り立っている。屏風状の作品は、広げる角度でイメージが変わり、照明とともに空間演出の巧みさも持ち味のひとつ。
子どもの頃に見たゴジラ映画で巨大な足が出てくるシーンに強烈なインパクトを得て、大きな作品へと繋がった話などが興味深かった。パネルサイズの基準に付いての質問には、機械を使わなくてもひとりで取り回せるものとの回答だったし、額縁に入れた西洋がではないない日本的な表現を大切にしていること、折り紙的な表現技法などの話も聞かせて頂けた。
是非、どちらの会場とも足を運んで欲しい(入場無料)。
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