古くから、分煙活動・禁煙運動に携わってきた土田雅道さんの考案した機械が高く評価されました。

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1998.3.18 福井新聞

 武生市の禁煙サポーターとして禁煙運動に取り組む鯖江高教諭の土田雅道さん(50)=武生市帆山町=が、たばこの煙が体に及ぼす影響を視覚的に訴える装置を考案して改良を加え、第四十六回全日本教職員発明展で特別賞を受賞した。禁煙を促す発明品としては初の受賞という。

 出品した喫煙代行装置は「まいるド君」と名付けている。ペットボトル二本をビニール管でつなぎ、人間の肺と気管に見立てている。

 ボトルに水を入れ、たばこの煙を吸収させて水が変色する様子から体内の血液に溶ける過程を連想させる仕組み。管の先にたばこを取り付けて直接吸引させる直接喫煙と、あらかじめ煙を充満させた別のボトルからポンプで吸入する間接喫煙の二タイプを作り、比較できるよう工夫した。

 実験ではどちらも数分間で水が茶色に変色し、たばこの煙が血液に溶けて全身に影響することが分かる。人間の血管細胞と同じ構造のミミズにこの水をかけると縮んでくることや強烈な悪臭からもたばこが体に及ぼす害が説明できるという。

 土田教諭は約二十年前はヘビースモーカーだった。大病を患い退院後、たばこを吸うと傷口が痛むことからその因果関係を疑いだし、禁煙活動に取り組み始めたという。

 たばこの害を生徒の視覚、臭覚に訴えられる教材をと、十年ほど前に装置を考案。その後、改良を重ねてきた。

 土田さんは「役に立つ学校教材として、また禁煙教育が必要だと社会的に認められてうれしい。今後も装置を使って禁煙運動に力を注ぎたい」と喜びを話している。