司法関係者(法曹界)と市民とのギャップ
非常に良くできた脚本で、被告人(推定無罪の法則が適応され、怪しくても犯人と読んではいけない)が、犯人であるのかどうかは、物的証拠や証人の信頼性をどの程度判断するかで非常に迷うところだ。
私はイベント記録および報告書制作(左図参照、原寸はA3ノビサイズ)の仕事として現場にデジタルカメラとデジタルビデオカメラを持ち込んで見ていた。有罪か無罪かの判断だが、決定的なものは見いだせなかったものの、この程度の証拠や証言で有罪になるなら「えん罪」が蔓延するだろうと感じた。
司法の問題点などを市民に分かり易く説明してくれたが、司法との関わりが薄い人にはほとんど理解でき無かったのではないかと心配になった。
どの業種でも大なり小なり業界用語や符丁があるものだが、こと司法関係者のそれは、一般市民の常識からはかなり隔たりがある。ステージに登場した人物に「廷吏(ていり)」があったが、この言葉を知っている市民は少ないだろう。
さらに、用語だけでなく現状認識に大きなずれがある(たとえば、国選弁護人と当番弁護士の存在や違い)ので、その先をいくら説明してもボタンの掛け違いになってしまう。
何事も地道な啓蒙活動が大切だが、イベントを単なる打ち上げ花火に終わらせないよう報告書やビデオCDを活用していって欲しい。
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