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 長年それらスター選手を見守ってきたのがこのメインスタンドだ。

向日町競輪場

取材:2000年7月

 京都向日町競輪場は、松本勝明選手を始めとして加藤晶、荒木実、吉岡隆伸、桝井道弘など数多くのスター選手を輩出した競輪場である。最近では、松本整や山本真矢、伊藤保文、村上義弘など機動力のある選手が大活躍している。 
 私が新人だった数年間は、この向日町競輪場で冬期移動の練習をさせてもらっていた。京都は底冷えが厳しく、ある冬、周回練習を終わった後、ヘルメットにTつららUが下がったのを記憶している。近年は暖冬でそこまで冷え込むことはなくなったが、寒暖の厳しい気象条件と「伝統」が今の京都の選手を育んできた。

 向日町・全日本選抜競輪開催を前に建設されたのが、この4コーナー特観席だ。

 京都は文化財や遺跡の多い土地柄で、この特観席や現在建設中の選手管理棟も建設前の発掘調査に時間を要し、通常の倍以上の工期が必要だ。

 夏涼しく、冬は暖かく観戦できるこういった施設がもっと増えることを期待したい。

 バンク内のフィールドには、陸上用のトラックがある。
 市民がもっと有効に競輪場を利用できるようにという狙いがあるのだろう、テニスコートも二面備えており、市民と競輪場の関係が健全に保たれているようで、その親密さを感じる。

 兎に角、競輪と馴染みの薄い市民にも、こうしたT競輪場に来てもらう工夫Uということが必要なことで、向日町はそれを実践している証明だ。

 新選手管理棟は現在建設中で、今はこの仮設でその完成を待っている。
 レースが終了した自転車はこうして自分のゼッケン番号に吊り下げて格納する。
 参加選手は通常開催10 レースだから90人。その人数分だけ自転車があるため吊り下げた方が、検車場も広く利用できる。特別競輪ともなると160人以上が参加するわけで、それに対応できる施設を有したものでなければならないが、検車員の苦労も大変なものだ。

 新選手管理棟が完成する日が今から待ち遠しい。

 今開催(2000.7)は、S級開催ということで、贔屓(ひいき)選手を応援するファンからの「横断幕」が所狭しと張り付けられていた。
 選手にとってこれほどありがたく、元気付けられることはない。ファンもまた自分達が応援する選手の頑張りを観て、一喜一憂する。まさにそれは「スポーツ競輪」が繰り広げられている証明ではないだろうか。
 オリンピックイヤーの今年(2000年)、T競輪UがTケイリン、KeirinUとなって世界に羽ばたく時がきた。競輪を表舞台に登場させてくれたのは、こうした情熱を注いでくれる熱心なファンのお陰でもある。僭越ながら選手を代表してファンの皆様に感謝申し上げたい。

 今回は偉大な競輪選手・松本勝明氏(京都・前期・登録番号587・1981年10月1日引退)の功績を讃えた「第19回松本勝明賞」(関西スポーツ五社後援)開催競輪だった。
 優勝は阿部康雄(新潟)が初の栄冠に輝き、このカップを獲得した。
 ご存じの通り、松本氏は競輪界前人未踏の13??勝の金字塔をうち立て、勿論、今後ともその大記録が破られることはないであろう。
 競輪創世記から競輪界を見守ってこられた氏の功績は計り知れないものがあり、現在、競輪学校の名誉教官及び名輪会の会長としてもご活躍中だ。
 このカップに歴代の優勝者の名が刻まれるごとに、そのT重みUも益々増していくことになる。それと同時に競輪の歴史がこのカップにも積み重ねられていくことを願って止まない。

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