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小倉競輪場(1)

取材:2001年1月

 2000年シドニーオリンピックから「ケイリン」が採用されたが、戦後荒廃した日本を復興させるために「競輪」が誕生したのは、1948年(昭和23年)11月のことである。
 北九州は小倉競輪場で、輝かしい第1回の開催(発祥)が行われたが、その記念すべき第1レースは実用車6車立てで、1着は芥貞雄(大阪)、2着は立石秀雄(山口)で単勝は150円、複勝は140円と270円だった。

 発祥当時の小倉競輪場の走路は赤土を固めてタタいたものだったそうだが、21世紀に至るまで約52年の歴史を持つ「競輪」は、正に「日本の文化」と言っても過言ではないのではないだろうか。その永い歴史を持った競輪も平成3年度(1兆9553億円)を境に9年連続の売上ダウン(平成12年度・1兆2千余億円)を喫し、存続をかけて必死の対策を講じている。競輪100年大計に向けて、今が正念場である。


 旧競輪場跡地は、駐車場にするといった構想もあったようだが、市民の憩いの公園として生まれ変わった。ジョギングコースなど広々とした敷地は、都会のオアシスとして、またスポーツを楽しむ若者や家族連れで賑わいをみせている。

 自転車の世界選手権も開催された前橋グリーンドーム=333メートルバンク=に対して、北九州メディアドームは、1周が400メートルバンク。屋根付き自転車走路としては世界最大規模だ。
 噂には聞いていたが、実際、目の当たりにしてみると、その大きさと未来的構造に息を呑む。
 福井など雨が多く雪国にこそ、こういうドームが欲しいが、売上の多かった時期に各地の主催者側に先見の目があればこういう施設も決して建設不可能なことではなかったのではないだろうか。


詳しくは、http://www.mediadome.co.jp/ をアクセス。

 ドームの内部に入ると、さらにその規模に驚かされる。これが未来型競輪場だ。
 観客は、一年中外界の気候に左右されることなく快適な競輪観戦が楽しめ、選手もまた雨風の影響を受けることなく快適に競走が行える。
 まさにこれで売上が増えれば結構ずくめだが、収容人員1万数千人のところ普通開催で2000〜3000人ではちょっと寂しすぎる。競輪の人気回復に全力を挙げたいところだ。

 一般入場料100円、指定席1000円、ラウンジ席2500円、ロイヤル席3500円となっている。また、非競輪開催中は、各種イベントも実施されており、2001年 2月10日 〜 2001年 2月12日は、「世界の犬・猫博」があるとのこと。

 ドームを走ると風の影響がないため走行は大変軽い。上がりタイムも冬場でも関係なく11秒前半のタイムを弾き出す。(競艇は、エンジンで走るため空気の重い冬場に好タイムが出やすいが、人間がエンジンの競輪では空気の軽い夏場に好タイムが出やすいといわれている)
 時折、練習で走行していると1周するスタンドに変化ががないため、このコーナーは何コーナーか?と錯覚する時がある。だから選手がレース中、錯覚してホームとバックの間違いをしないようホームストレッチ側は、走路面に青い塗装が施してある。

 選手宿舎は旧競輪場の時、既に出来ていてドームより10年以上も前に完成している。
 地上4階立ての素晴らしい選手宿舎は、ドームと道路をまたいで地下通路で連結されており、選手はその地下道を通ってドームに入場する。この宿舎は、門司競輪(同じ北九州市)開催中の選手もバスで移動し利用している。
 ドーム周辺は、旧小倉競輪場の面影を留めず、まったく新しい多目的ドームへと変身したのである。


バンク内・選手控え室等へ続く

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