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小倉競輪場(2)

取材:2001年1月

 

 バックスタンドには、オーロラビジョンが設置されていて、瞬時にゴールスローや前日の競走ビデオなどを放映し、華やかな演出をしている。
 器用な選手はレース中このビジョンを観て後続の並びや仕掛けなども注意して見ているいるようだが、不器用な選手はしないほうが賢明だ。

 コーナーが長く、直線が短いため逃げ切りも多くみられる。
 スピードのある選手向きといえるだろう。

 その昔、レース中の事故で、金網の鉄柱にぶつかって死亡した選手がいたため、選手の走行の安全性を重視し、観客席と走路の金網が改善されてきた。ここのドームの緩衝柵も最先端の工夫がなされていた。
 視界を遮らないアクリル製のボードにバネを施し、ぶつかっても選手にケガがないよう改善されていた。こうした安全性の重視は過去の犠牲を払って改善されてきたのであって、選手会が強く要望してきた経緯がある。
 選手の安全は選手自らが強く要望し、それに主催者側が応える形となって今日の競輪場が形成されている。


 私が、選手になった頃(昭和49年、1974年)は、朝練習が終わったらレースまでローラー練習をしてはいけなかった。ウォーミングアップはランニング程度で、だからレース後、心臓発作で死亡した選手もいた。
 今から思えばナンセンスな話である。朝の検査が終了してから、無駄な練習をしてもらっては困るというのが、整備する方の言い分だったが、世界選手権などに遠征した有名な選手達がレース前のローラー練習をするようになってから、徐々にローラーで練習出来るようになった。
 こうしたことも選手が自らの生命を守るために要望してきたことが、主催者側と運営者側に理解されたわけで、施設の充実は黙っていても良くならない、というのが世の習わしである。不便のあるところに改善の余地あり。競輪ファンが黙って去っていったのは、そういう改善を見いだせなかったからではないだろうか。



 全国競輪場数あれど、衣類干しの専用ロッカールームを設置している競輪場は、ここ北九州メディアドームぐらいだ。
 選手控え室の自分の居場所に衣類を干せるのは便利なことだが、あまり見栄えのいいものではない。ヘルメットやレーサーシューズ、手袋、練習着など、競輪選手の七つ道具はかなりある。汗を掻いたシャツなど物干しにつるして置くのは便利なことだが、見栄えは決して良くない。
 こうした専用ロッカーが増えることを節に臨む。


 ご覧のように、荷物がすっきり?と片づいた選手控え室。
 物干し竿やロープがないから邪魔にならずスッキリとしている。いわば競輪選手の支度部屋だが、バンクが表舞台なら、選手控え室は裏舞台。
 裏舞台といえどもスッキリと片づいている空間は誰が観ても気持ちがいいものである。また、そうでありたい。

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