|
|
決勝は初日の特選から6人が残って初日以上の激戦メンバーとなった。 島田はピンピン(初日1着、準優1着)で勝ち上がり、準優戦の闘いぶりなどは後続をブっちぎっての1着で「いやー強いなー」と誰もが思わず口にしたほどだった。 女子高生に言わせればウッソー?マジ?信じられない、こんなのあり?ってな具合だろうが、でもそれが近畿のマーク屋らしくていいのかも知れない。チャンスのあるところ我が道を行くである。(そういう自分だってきのうの準優では、藪の指定席券を投げ捨てて、ちゃっかりグリーン車に乗ってたじゃないの。ったく人のこと言えないわよ。ふん。)それもそうだ。 決勝は誰が前に付くか分からなかった。本来、事故点は公表しないということになっているが、どういうことか中部の予想紙には事故の累積回数が載っていた。つまり累積点数ではなく、失格・重注・走注の回数が載っていて、それを計算すれば大体の検討はつくということになる。事故点60点に近い選手は松尾、中川、それに私で、島田は90点を超えてしまっている。号砲が鳴って数秒が経過し、ここが限界とばかり私が前に出ようかと思ったら8番車の中川が堪え切れず前に飛び出して行った。 決勝は2400メートル6周だった。2周回目で前から中川 - 水谷 - 島田 - 武田 - 松尾 - 兼子 - 平田 - 片山 - 鷲田の並びとなった。 この日は朝から風が強く、10レースになってからは更に強くなり冷え込んできた。誘導員のピッチも速かったが、最後尾の私はこれは願ってもない並びになったと思った。 果たして、松尾はジャン前の2コーナー立ち直ってから猛然とスパートした。何しろ地元の大垣で先輩二人を後続に従え、初日の島田に捲られた鬱憤を晴らすかのような無心のスパートだった。松尾はあと一周の4コーナーで大きくバンク中段まで駆け上がり、後続を牽制したあと、山おろしを駆けて豪快に逃げた。これは片山 - 鷲田にとって願ってもない展開だった。(2コーナーから片山が捲くってくれれば俺の優勝もあるぞ)最終1センターでそんな期待を持たせてくれた。 そして、片山はここぞとばかり最終2コーナー渾身の力で捲りに出た。私はその出足に一瞬立ち遅れながらも必死に食い下がった。最終3コーナー、片山が止まった。その瞬間後ろから気配を感じた。(こんなに駆かっているところを捲くってくるのは島田しかいないはずだ)と思った。その通り島田は、私の横を通過していった。なんていう奴だ。松尾の先行を片山が捲り、その上を行くなんてA級戦では考えられないことだった。私は失速した片山の外から島田を追うように最終4コーナーを回った。 結果はまたしても5着だった。 |
|
|
電子メールは、zen1@yacht.ocn.ne.jpまで |