精進に裏付けされた自信というものが心の葛藤を征する
【レース経過】
号砲と同時に3番車鷲田が前に飛び出し、バックで誘導員の後に追いつくと、そのすぐあとに続いて来た4番車中条が鷲田の前に入り、さらに1番車橋本が中条の前に入った。
2番車川上と5番車嶋田も車を上げ、2周回目を迎えるホームでは、誘導員の後ろを橋本、その後ろインに中条
- 鷲田、アウト川上 - 嶋田で併走となり、以下、井狩 -
田渡 - 山本 - 安田の並びとなった。
選手紹介でも橋本 -
中条の兵庫コンビに川上が競り掛けてきたが、本番でもその通りとなった。
そのまま淡々とした周回を重ね、先行1車の橋本に対して、後続はまったく動く気配がなく、そのままジャンを迎えた。
残り1周の4コーナー、橋本が誘導員を交わして先行態勢に入った。
橋本の後位、川上と中条の競りは最終2コーナーまで続いたが、川上が競り勝ち、最終バックは橋本
- 川上 - 鷲田 - 井狩で通過。
最終2コーナー、終始5番手で機をうかがっていた田渡が捲りを打ってきた。
これを最終3コーナー、3番手の鷲田がブロック。
最終4コーナーは、逃げる1番車橋本と、番手競り勝った2番車川上、3番手追走の鷲田の勝負となった。
競りで脚を使った番手の川上の伸びが今一つのところを、3番手外から鷲田が伸び1着でゴールした。
【心理状況・その2】
初日選抜戦まさかの7着敗退で、準優戦を外した屈辱をどうしたものかと思案にくれた昨日のレースだったが、なんとか気持ちを入れ替えてこの選抜戦を迎えようと思った。
今日のこの選抜戦、5着以内なら明日の選抜戦に出場できるが、人間、弱気になるとロクな事を考えないもので、(もし6着以下になったら一般戦だからいくら何でもこれは欠場するしかないな)などと悪い方ばかり考えるものである。
(いやいやいくら何でも俺ほど?の者が、練習不足とはいえここで負けるハズがない)などと、昨日に続き押し問答が続いたが、人間とは本当に弱いものである。
かれこれ競輪選手を27年以上もやっていながら、未だにレースに対して不安が募るのだから、ま、これも良い方に考えれば、不安というものがあるうちはまだ「救いの余地」があるということなのかも知れない。
レースに対してなんの不安も心配もなく、緊張感もないまま、のほほんと勝負した日にゃ、競輪危なっかしくて走ってられないし、勝つことなど到底無理ではないだろうか。
常日頃の精進に裏付けされた自信というものが、そういう諸々を打ち消してくれるのだが、どうもこの時ばかりは自信より不安の方が勝(まさ)っていた。
レースは兵庫コンビ(橋本32歳、中条24歳)以外は、井狩(50歳)、山本(47歳)、安田(46歳)、鷲田(46歳)、嶋田(42歳)、田渡(42歳)、川上(40歳)と、敬老会メンバー。
何とかこれを征して1着でゴールできたが、最近、この日のレース終了後ほど安堵の感に浸れたことはなかった。
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