横濱たよりロゴ 第217号 2007.2.26
 ベトナム旅行(7)映画編

映画館外観(左)映画館外観(右) 字幕も吹き替えも無い イケメンの映画館スタッフ
 海外旅行先でのひとつの楽しみに映画館がある。世界中を席巻しているアメリカ映画を見ることが多いのだが、その国その国によって映画館の構造、チケットやスナック類の販売方法、客のリアクションなどいろいろな違いがあって楽しい。これまでも、カナダ、アメリカ(英語字幕入りの日本映画(寅さん)、アトランタで「風と共に去りぬ」を見たこともあった<EZアメカ参照 http://mike.co.jp/diary/ez/>)、メキシコ、韓国などでも見たがいろいろな思い出が残っている。メキシコでは、それほど怖くないスパイ映画だったが、観客の女の子がキャーキャー騒ぐのが印象に残った。1988年に見た韓国では映画上映前に国旗の映像が流れ国歌斉唱の時間があった。私も周囲の人に合わせて起立して口だけぱくぱくさせておいた。
冷たいおしぼりと飲み物のサービス タクシーで映画館に行きたいと伝えたところ郊外の大きな映画館で下ろされた。10スクリーンほどあるシネマコンプレックスで平日の午前11時に唯一やっていた「How to lose a guy in 10 days」というアメリカ映画を見た。入場料は大人も子供も30,000ドン。物価が1/10の国ではちょっと贅沢な娯楽なのかもしれない。指定された劇場に行くとイケメンのスタッフがペンライトで足下を照らし案内してくれた。いすの幅はかなり広めで肘掛けも大きい。座り心地も悪くない。
 驚いたのは数分後。冷たいおしぼりと紙コップではなくグラスに氷入りのサイダーを持ってきてくれたのだ。それを置くためのスペースが前の座席の後ろに作られている。なんとサービスが良いことか。チップは不要だった。このサービス込みなら30,000ドンでも納得がいく。
 映画の上映方法にも驚かされた。英語の映画なのだが、字幕スーパーもなく、吹き替えでもない。もちろん、ベトナム人は英語力がもの凄くあるという訳ではない。
 5秒遅れでベトナム語の解説が入るというシステムだった。女性がひとりですべての台詞や場面の説明(英語で2000年春、とかセントラルパークなどと出るもの)をするのだ。大昔の映画館には「弁士」と呼ばれる職業があったらしいが、その録音版だと思えば良い。比較的安い費用でできる良いアイディアだ。
 映画はラストの30分だけ見る形になったがニューヨークのイエローキャブを恋人がモーターサイクルで追いかけ橋の上でキスして終わるというシーンを見て劇場を後にした。私たち以外はすべてカップル客だったが、映画館はデートコースになっているのだろう。
 海外旅行先ではちょっとした時間を見つけて映画館に行くことをお勧めしたい。

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