第822号 2020.02.28 安全工学から見る「誤報」と「欠報」
横浜国立大学で安全工学を学んだ経験から「誤報」と「欠報」について考えてみたい。「誤報」といえば、新聞やテレビの間違ったニュースをイメージしがちだが、ここでは、科学的な意味での「誤報」と「欠報」の話。 不審者が通ると警告が鳴るシステムがわかりやすいが、センサー感度を高くしておくと、ネコが通っても反応して「誤報」が多くなる。感度を低くしすぎると、不審者を見逃す「欠報」が多くなる。一般的に「欠報」の方が重大な被害を被る。 医療分野では、ウイルスなどの感染の有無を知るため、生化学的・細菌学的な検査を行なったとき、反応が一定基準以上であることを「陽性」、一定基準以下であることを「陰性」と呼ぶ。ここで、注意しないといけないのは「陰性」=病気ではないということを意味するのではなく、病気は見つからなかったという視点が大切。更に、感染症の場合は、検査に反応するまでに数日掛かる事も少なくないので「陰性」=安全とは断定できない。検査結果を細かく4つの分けると「偽陽性」=「誤報」、「偽陰性」=「欠報」もある。 COVID-19(新型コロナウイルスによる新型肺炎)で専門家が誰でもに検査しない理由のひとつに「医療資源は無限ではない」という発言にはっとさせられた。普段の生活では、手厚い医療サービスを受けているので、無意識に「医療資源は無限」と思っていた。 災害時など4色のトリアージタグを使用して、治療の優先順位を付ける事があるが、これも「医療資源は無限ではない」 ということがわかる。 日本中の小中高校を週明けから閉鎖せよとの発表が2月27日の夕方に出され、2月から品不足になっているマスクに加え、トイレットペーパーも量販店から消えたという。 日常生活の中で、「水」「食糧」「燃料」「日用品」の適切な量を確保し、非常時に備えたい。 <防災関連号>822 821 818 815 812 810 807 800 798 797 791 788 786 785 784 782 775 773 768 765 763 761 759 755 753 751 750 747 745 718 712 710 707 703 700 697 691 689 667 676 675 674 672 671 670 669 668 659 648 639 635 633 632 631 614 607 581 571 563 554 552 550 538 537 533 526 519 511 506 505 503 501 492 490 488 483 477 467 451 430 392 384 360 355 354 337 245 240 224 202 193 189 184 183 179 025 020
「横濱たより」は、1998年10月に創刊されたインターネットを利用したオンラインマガジン。名前の由来は、横濱商館ニュースでは堅いので柔らかい感じものにしました。「たより」というのは、「便り」と「頼り」を掛けています。いつも頼りになる存在でありたいと願っています。見たり・聞いたり・感じたモノやコトを発信しています。Back number No.001-100 No.101-200 発行:マイク・ヨコハマ 918-8112 福井県福井市下馬1-1624 横濱商館 tel:090-3822-1097 http://mike.co.jp info@mike.co.jp